前世や過去世がわかっても人生にはほぼ役に立たないという話。

この世には前世が織田信長だったりマリーアントワネットだったと言う人がごまんと存在します。

真偽のほどは別として前世が偉人や有名人だったりするとなんだか嬉しくなるのも人の心というものかもしれません。

あなたの前世は戦国武将!?

ただ奇跡的にここ数十年、戦争や飢餓や貧困が少ない時代になっているのは現代人の幸せだといえるでしょう。

人類の歴史を振り返ると大半が貧しさに喘いだり、戦争で殺されたりという期間のほうが長いからです。

そう考えると本来前世や過去世のほとんどは苦しく嫌な記憶として思い出されるものかもしれません。

なぜ人は前世が知りたいのか

ヒーラーのまねごとをしていたとき、クライアントさんのほぼみんなから「私の前世ってなんですか?」と聞かれました。

私自身はもともと自分の前世や過去世が気にならないのでその感覚がよくわからなかったのですが、おもしろ半分でみんな知りたいのかなといった印象でした。

自分もこれまで何度かヒーラーさんに見てもらったことはありますが、自分から前世や過去世を聞いたことはありませんでした。

あるヒーラーさんのところでヒーリングを受けたとき、こちらから聞いてもないのに次々と前世の話をされて戸惑った覚えがあります。

それからなぜ前世に興味がないのかと心のどこかに思いながら数年経ったとき、知人が開催するヒーリングセミナーに参加してその答えがわかりました。

ペアになってお互いの魂の歴史を見つめるという課題だったと思います。

そのとき初めて自分の前世の一つ一つがトランプのカードのようになって数千、数万くらい目の前に広がっていくのを感じました。

そのなかの一つのカードがテレビ画面のように映し出されたかと思うと、突然その時代に立っていました。

人類の歴史の大半は殺し合いだから

Caerphilly Castle

時代は中世、1300年から1400年代ぐらいだと思います。

東欧のルーマニアかトランシルバニアのあたりの小さな王国で1000人ほどの兵士を束ねている隊長をやっているのが私でした。

上からの命令で一つの村の住人をすべて殺し尽くして首を刎ねるという役目を果たしている渦中に自分が戻っていました。

映画でそういうシーンをみた影響だと言われればそれまでです。

しかし、自分の目の前で多くの人達が殺されていく様子や匂い、血の色などがあまりにリアルすぎます。

意識が遠のいて、目が開けられなくなり、頭に強烈な電流が流されたようにこれまで感じたことのない痛みと精神的に絶えられない状況がその場で再現されていました。

気づけば泣き叫んでいてなにかにしがみついていないと自分の理性を保てないような状態に陥りました。

それまでこの世で生きてきて、それなりに辛い経験もしてきましたが、いまだにこの前世の記憶が再現されたときを超える体験をしていないほどです。

前世など掃いて捨てるぐらいでちょうどいい

魂を磨くとか人生経験を積むということが無数の過去世の積み重ねだとすると、思い出さなくていい、むしろ思い出さない方が幸せな前世のほうが多いはずです。

「あなたは前世で数え切れないほどの人を殺していました」と聞いて、今を生きる気づきが得られたり、未来へのヒントが生まれるのでしょうか。

もしその言葉の後ろに、「だからカルマや罪を背負っているから」といわれて壺やら御札を出されるようなところに掛かったとしたら笑い話にもなりません。

本当に前世や過去世の記憶が人生を前に進める中で必要だとしたら本人が気づくにせよ気づかないにせよ、なんらかのタイミングで思い出せるでしょう。

ただそれだけいいのだと思います。

私の信頼するヒーラーさんも、こうした理由でクライアントさんに前世や過去世について聞かれても答えなくなったという人が少なくありません。

タイミングが来れば前世を知らせるサインが受け取れる

Wings

前世や過去世の記憶を処理して消化するには、かなりの覚悟とエネルギーが必要です。

その時機が来れば自然とデジャブのような感覚で思い出されて、気づけば人生の節目を超えていることでしょう。

前世に限らず、思い出す必要があれば自分でなんとなくわかったり、誰かが自然なかたちで伝えてくれたりします。

追いかけるのではなくただそこに存在してすべてを受け入れる。

そんなナチュラルな態度のほうが幸せをつかむきっかけなんだと思います。