北九州空港のある福岡県京都(みやこ)郡苅田町の山道をひたすら登っていきます。
1.5 車線の狭い道路も、ゆっくりしたスピードで車を走らせれば、コミュニティバスとの離合も無理がありません。
北九州エリアの修験道の拠点
白山多賀神社はこの地域の修験道の一大メッカでした。
境内には磐座が多数点在しています。
また、拝殿の鉦(かね)や格子の天井が神仏習合の名残りを彷彿とさせています。
自然石で作られた祠が印象的です。
いまにも動き出しそうな気配を感じます。
1000年以上の歴史をもつ祭り
参道から見下ろす広場には、「等覚寺の松会」の柱松が立っていました。
4月第3日曜日に開催される等覚寺の松会は、重要無形民俗文化財。
953年(天暦7年)にはじまったという伝承もあるほど古い神事です。
白山多賀神社はもともと普智山等覚寺という英彦山をはじめ豊前六峰という修験道の拠点のひとつでした。
祭りは、神幸行列や獅子舞、稲の収穫を祈る「田行事」、そして「刀行事」とつづきます。
ラストの見物は、柱松の幣切りです。
山からいただくパワー
拝殿裏に回りこんでみました。
削られた山肌が露出しています。
濃密なエネルギーがやわらかく流れていました。
奥之院の「青龍窟」へ
白山多賀神社の奥宮にあたる岩屋神社は、カルスト台地の洞窟「青龍窟」の中にあります。
青龍窟まで、神社から3キロの未舗装林道を歩いてみました。
眼前に平尾台という一大カルストが広がり、雄大な景色です。
汗をかきつつ登ること30分。
青龍窟の登り口に到着です。
初めて訪れる場所だったため徒歩にしましたが、ここまで車で来ることも十分できる林道でした。
土蜘蛛や豊玉姫の伝説
山肌にぽっかりと洞穴が空いていて、恐るおそる中に入るとひんやりとした空間がたたずみます。
豊玉姫命に参拝
古い石仏が祀られていて、洞穴は奥まで続いているそうです。
昼間でもひんやり暗くて、さすがに怖さもありました。
青龍窟の岩屋神社は豊玉姫命を祀っているほか、九州各地に多い土蜘蛛と景行天皇の伝承をもつなど、九州のパワースポットのなかでも強烈な個性を放ちます。
今回、経本を持ってきたのでお経をあげさせていただきました。
天然のカラオケボックスのようで、洞穴はよく音が共鳴します。
凄まじいエコーのかかり具合で、途中から気持ちよくなりました。
このあたりはカルスト台地の眺めもすばらしく、ハイキングにおすすめです。