母と歩く初夏の松山|二ノ丸史跡庭園に漂うみかんの香り

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5月の大型連休明け、市役所で用事を済ませた帰り道。

母を連れて、すぐ近くの東堀端にある「八股榎お袖大明神(やつまたえのきおそでだいみょうじん)」へお参りに行きました。

四国の霊獣といえば狸さん

ジブリ映画の「平成狸合戦ぽんぽこ」でも描かれた通り、四国は狸のメッカ。

ここは、松山城に住み着いていた伝説の狸が榎の大木に住み着いたとされるユニークな神社です。

戦前、ここから40キロ程離れた今治市大西エリアには、戦前、お袖狸が女学生に化身姿が目撃され、山中にしばらく仮住まいしていた伝承も残ります。

お袖狸は神通力が強く、霊験あらたかな祠で、将門塚のようにご神木の榎を切り倒そうとしたものの、作業が難航したといったエピソードがあるほど。

地元では、時の市長が眼病の際、日参したところご利益で良くなったという都市伝説も聞かれます。

ゆっくりと石段を下りていき、鮮やかな赤い鳥居をくぐると、意外にもどこかほっとする空気が流れていました。

母と二人、今日の無事とこれからの健康を願って、静かに手を合わせました。

誤算のあとの、贅沢な自販機コーヒー

その後、堀端を県庁まで進み、堀之内公園に入り、県美術館のカフェでひと休み……と思ったら、なんと大型連休明けの休館日。

ジブリ展がやって来ているので、大型連休と土日に挟まれた平日も開館しているものとばかり思っていました。

「あらら」と顔を見合わせましたが、天気は快晴。最高気温24度。

それならと、自販機でアイスコーヒーを買い、堀之内公園の広い芝生にあるベンチへ。

青空の下、遠くに松山城を眺めながら飲むコーヒーも、これはこれで贅沢な時間です。

「行ってみたい」と母の意外なリクエスト

ひと息ついたところで、母から意外な言葉が。

「二ノ丸史跡庭園まで行ってみたい」

実は母、午前中にかかりつけ医で定期受診と心臓リハビリをこなしてきたばかりで、そのうえ、市役所から10分ほど歩いたところ。

「えっ、大丈夫?」と聞き返しましたが、本人の意欲は満々。

ここ数回、受診の度に医者からダイエットを指導された影響もあったりして、久しぶりに訪れる場所への期待が疲れを上回ったようです。

花と香りに包まれる、初夏の庭園

美術館前のベンチから二ノ丸庭園の入り口までは、広い芝生広場を突っ切ります。

一度道路に出て、入り口を入ると、お城特有の幅の広い石段が続いていました。

「昔はもっとスイスイ登れたのにねぇ」なんて笑いながら、母のペースに合わせてゆっくり、ゆっくり。

母にとって、この庭園は20年……いや、30年ぶりでしょうか。

以前、私が私がまだ小学校に上がるかどうかの頃、母と姉と整備される前の二ノ丸跡を訪れたことを思い出しました。

その前年くらいまで、ここには市立の城東中学校があり、すでに校舎は取り壊されてありませんでしたが、門柱と基礎部分だけが残っていました。

ともあれ、母本人も正確な年数を思い出せないほどの長い年月を経て、再びこの地に立ちました。

流水園に花を浮かべる「花手水」など、花のイベント「恋する庭園2026」は前日の大型連休最終日で終わっていて残念でしたが、背景の城山の新緑眩しい庭園は、静かな美しさに満ちていました。

  • あやめの紫: 水辺に凛と咲く姿が、目に鮮やか。

  • みかんの花の香り: 風に乗って、ふわっと甘い香りが漂ってきます。松山らしい、最高の「おもてなし」を受けた気分です。

かつての表御殿の跡を感じさせる石積みの間を、母の昔話を聞きながら歩く時間は、とても穏やかなものでした。

締めくくりは、優しくタクシーで

さすがに帰りは無理をせず、公園直下の駐車場までタクシーを呼んで帰宅。

車窓から遠ざかるお城を見ながら、母はとても満足そう。

「また来ようね」とは言わずとも、その表情が今日一日の楽しさを物語っていました。

リハビリのあとの大冒険、本当にお疲れ様でした!

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