フォッサマグナパークは、東日本と西日本の間の地質学的な「大きな溝」を迫力満点のビジュアルで体感できるスポットです。
フォッサマグナの東端は新潟から千葉にかけて走る「柏崎ー千葉構造線」。
そして西端こそ、翡翠で知られるこの糸魚川から静岡まで貫く「糸魚川ー静岡構造線」。
東日本と西日本のそれぞれの断層が一目でわかるように、人工的に露出させています。
川沿いの遊歩道を散策すると・・・
フォッサマグナパークへは、糸魚川市内から「塩の道」と呼ばれた千国街道の国道148号線を南下して30分ほどで駐車場に到着します。
周辺を見渡すとすっかり山々に囲まれたのどかな風景です。
駐車場からよく整備された遊歩道を10分ほどゆっくり上っていくと、突然眼下に大きな断層が現れます。
階段を下りていって、下から見上げるとその迫力に圧倒。
地層や断層に興味が薄い人でも、そのビジュアルにビックリするでしょう。
東日本と西日本で地層の年齢に大きな差
露出した断層のうち、向かって右側(東側)の茶色が東日本の地層で、約1600万年前の岩石です。
一方で、左側(西側)の灰色は西日本の地層で、約4億年前の岩石です。
東日本と西日本でこれほど地質の時間の差があるとは初めて知りました。
あのナウマンゾウのナウマン博士
ラテン語で「大きな溝」を意味するフォッサマグナの名付け親はナウマン博士。
明治初期に来日して「ナウマンゾウ」に名前を残すドイツの地質学者です。
酒蔵がその場所にある意味
断層を背にして根知川を挟んだ向こう岸には、銘酒「根知男山」の蔵元である「渡辺酒造店 豊醸蔵」があります。
この根小屋集落の上も「糸魚川ー静岡構造線」が走ります。
そして、酒蔵のあるのは東日本側。
同じ集落でも場所によって地質の違いで水質が異なっているそうです。
古くから、軟水が適している酒造りには東日本側の井戸を使ってきたそうです。
日本の大きさを感じる素敵なスポット
東日本と西日本の境目を体感できるユニークなスポットでした。
あまり科学に関心のない人も、きっと楽しめると思います。
遊歩道を散策したり、川辺に下りたりするだけでもリフレッシュできるはず。
なお、糸魚川市内のフォッサマグナミュージアムを見学してから訪れると、より目の前の地層の意味が理解できるのでおすすめです。
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