変わらずまっすぐなラーメン屋の大将の主張

半年ぶりに訪れた観光地の外れにあるラーメン屋。

開店時間を見計らって、暖簾をくぐった。

ときどきチェックしていたSNSでは、コロナ感染対策を徹底しているようだった。

ラーメン屋の暖簾

手指消毒や食事中以外のマスク着用はもちろん、ビニールカーテンやアクリル板。

換気はもちろん、最近、行政から二酸化炭素濃度測定器の貸与も受けたと、見せてくれた。

壁には、コロナ対策店のポスター。

その隣にはコロナの予防法をパソコンからプリントしたコピーが貼ってあった。

「日本中の人がみんなマスクをするようにしたら、もっと感染は少ないと思ってる。

マスクがどうこう以前に、他人にうつさないようにするっていう気持ちがあるかないかのほうが大事。

ぼくはそう思ってる」

毎度ながら、大将の主張はまっすぐで、てらいがない。

「マスクしてない人が店に入ろうとしたら『マスクしてください』ってお願いするし。

食事が終わって、マスクせずにしゃべってる人がいたら注意するけど、あからさまに嫌な顔する人も多いよ。

50代とか中年から上の年代の人が多いかな。

でも、ぼくは嫌われてもいいと思ってるから。

まわりの人にうつさないように気をつけるような、そういう人だけ客で残ってくれたんでいい」

昔聞いた噂では、40、50代あたりまではよく客と喧嘩して帰らせたり、常連客と議論が白熱して延々とカウンターで閉店後も喧喧諤諤やりあったりしたこともあったとか。

こういう頑固親爺的な人がほんと少なくなったので、たまに行くうまいラーメン屋として、ほんと貴重だ。

チャーシューメン

この日注文したのは、チャーシューたっぷり載せで焦がしニンニクを浮かべた『裏メニュー』と呼ばれる、この店最高額(このボリュームで800円!)の塩ラーメンと、じっくり煮込んだ軟骨丼ミニ。

なかなか食べに来られないので、毎回つい2人前ぐらい注文してしまう。

昼が遅かったせいもあって思ったより苦戦したが、完食。

「そんだけよく食べられたね!

こないだチャーシャーの切り方を新しくしたから量ってみたら、前までは150gほどだったけど、今日出したのなんか200gぐらいあるのに」

「軟骨丼は普通サイズにしてなくてよかったです!」

店内はカウンター席はなく、テーブル席2組のみ。

しかもコロナ以降、相席はさせない。

早めに会計を済ませて店を出たら、2人ほど店の玄関前に並んでいた。