パワースポットで知られる大神神社のある桜井市。
その市郊外、山間部にあるのが笠山荒神社です。
日本の荒神様の大元らしく、日本三大荒神の一つでもあり、三笠宮様がときどきお忍びで参拝にいらしていたのだとか、という噂もありました。
何より周辺では神社前においしい蕎麦屋さんがあるというので広く知られているようです。
笠山荒神社
天理市の桃尾の滝を出発して峠道をひた走り、やがてダムの堤防の上をわたってしばらくいくと、そろそろ夕刻となっていました。
でもまだ薄暮といった様子で、通りすがりに「笠山荒神社」の案内板を見るなり思わず右折していました。
何分ぐらいで着くのか、最近できたらしいいくつかの集落を結ぶ真新しいバイパスを走るとさらに山手の方向へ向かわされ、勾配のついたゆるやかな高原状の田畑が広がっているなかを進んでいきます。
まだかなと思っていると整備されているものの道は狭くなってきて心細くなりはじめたところに蕎麦屋が見えて、笠山荒神社の鳥居も目に飛び込んで来ました。
当然、蕎麦屋はすでに閉まっています。次来るときは必ず食べて帰ろうと心に決めながら時計を見るとはや6時半を回っていました。
鋭い空気の漂う境内
まだ明るいとのんびり気分で参道を進むとすぐ神社の拝殿へ上がる石段がありました。
境内全体の雰囲気が独特で冷凍庫のようにキリリと引き締まっているような、ソーダアイスのような氷った水色のような、北風をこの地にとどめたような雰囲気。樹氷やダイヤモンドのような北海道の冬を連想させます。
参拝して石段を降りると「閼伽井不動」の案内板がありせっかくなのでだんだん暗くなっていく杜のなかを進みます。
由緒書きを読んでみると、笠山三宝荒神は東大寺ゆかりで文楽の「良弁杉由来」に登場する良弁僧正のほか高野山を建立する直前に空海も参籠した聖地のようです。
高野山近くに立里荒神があり以前一度訪れましたが、もとはこちらの神様を高野山守護として分霊したとあり、今回偶然にこちらに来た理由が少し溶けた気がしました。
閼伽井不動
閼伽井不動に着くとスマートフォンのカメラでは撮影が難しいぐらい暗くなってしまっていました。
小さな池のほうへ進むと、奥に不動明王石像の祠があり、池の周りを弁天様や黒龍様、白龍様がお祀りされていました。
帰りは表参道のほうから帰ろうと手描き案内図を見ると車道とはいえ意外に近そうだったのでとぼとぼ歩きましたがそれが見当違いで、とっぷり日が暮れて最後はスマートフォンの明かりを懐中電灯にしながら歩かねばならぬ始末。
40分ぐらい掛かってやっとのこと車を停めた裏参道入口まで戻りました。
時刻はもう8時。
山奥で、携帯は圏外の聖地です。
2013/07/20 訪問
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