2011年6月6日。
愛媛県の東端部、四国中央市新宮町へ行ってきました。
茶どころ新宮
先年の市町村合併までは新宮村といい、村に高速のインターチェンジがある全国的にもまれな場所だったそうです。
こちらはお茶が有名。
狭い谷間に階段状に茶畑が広がっています。
また、テレビ番組で紹介されてから全国から注文が舞い込んでいるという『霧の森大福』でも知られるようになりました。
道の駅霧の森
新宮インターから5分ほどで道の駅 霧の森に到着。
売店にレストラン、カフェ、温泉施設やミュージアムが立ち並んでいてとても壮観です。もちろん見渡すと深い山にきれいな川が流れています。
熊野ゆかりの地名
カフェでお茶を楽しんでから地元について紹介しているミュージアムを見学しました。
これまで「新宮」という地名について由来など気にしたことはありませんでしたが、なるほど、紀伊半島の『熊野三山』の一社・熊野新宮大社からきているそうです。
いまから1,200年ほど前、新宮の僧侶たちが新しい聖地を求めて四国に渡り、阿波からこの地に差し掛かったときのこと。
熊野の山川に似た場所を見つけ、ここを聖地としたのがはじまりだそうです。
山の向こうに光るものがあり、物見の者に見に行かせたところ一向に戻ってこない……。
不思議に思った僧侶たちが探しに行くと、物見の人間が不動明王に変化して光り輝いており、いまでもそのあたりを「不動」という。
そんな面白い伝承もあります。
四国最大の熊野信仰のメッカ
町の中心地、役場のすぐ横にひっそりと熊野神社はありました。
往昔、この近辺にいくつもの堂宇が立ち並び、四国最大の熊野信仰の聖地としてたいへん栄えたそうです。
かの一遍上人も修行時代に訪れたそうで、時宗の修行僧が師の足跡を偲んでよく訪れたとか。
さらにミュージアムの展示には四国八十八カ所の総奥の院といわれる仙龍寺が紹介されていました。
ここの伝承も興味深いもので、厄年の空海が沢蟹に誘われて山奥の崖までくると、印度から雲に乗ってやってきた法道上人と出会ったそうです。
法道上人は奈良時代、播磨を中心に広く活躍した僧といわれています。