日本ピラミッド・葦嶽山|広島県庄原市

庄原市は広島県でも島根や岡山の県境に近い、山深い町です。

そこには巨石ファンなら知らない人はいないだろう、超有名な磐座があります。

葦嶽山(あしたけやま)—— 一般には『日本ピラミッド』と呼ばれています。

この記事の情報は2011年5月現在です

日本ピラミッドの誕生は2万3,000年前!?

1934年(昭和9年)、日ユ同祖論で知られる酒井勝軍(かつとき)が「2万3,000年前のピラミッドである」と発表。

一躍有名になりました。

[amazon asin=”4893501992″ kw=”モ−ゼの裏十誡/太古日本のピラミッド”]

一時は山頂付近に茶店まで出て大勢の見物客で賑わったそうです。

現在も、庄原市内に入ると「日本ピラミッド」と書かれた案内図が何箇所もあり、二つの登山ルートはよく整備されていました。

大正、昭和初期の霊山や寺社に対する情熱というのはすごいものがありますね。

愛媛にも、今はまったく知られていないのですが、たぬきのご利益がある祠というのが昭和初期に流行。

最寄り駅は乗降客が普段の何十倍に膨れ上がり、参詣道は昼夜問わず人でごった返した、と伝えられています。

熊出没注意にビビりながら登山開始

熊出没注意

15時半、葦嶽山麓の野谷登山口に到着。

葦嶽山への登山道は、野谷ルートと灰原ルートがあります。

実際に両ルートを利用した感想ですが、野谷ルートは徒歩40分とあるものの渓谷を沢伝いに上がっていき後半は急登。

健脚でなければ1時間はかかる印象です。

登山口にはリアルなクマの写真つきで「熊に注意!」「◯月×日にもこの登山ルートや△◯峠で発見され・・・」の立て看板があるので、熊対策をして登りましょう。

歩きはじめると、すぐに美しい自然林のなかに入ります。

登山道の左右に大きな石がゴロゴロ。

山全体が磐座といった雰囲気でした。

途中、2、3ヶ所、沢を横切ります。

息が上がってきて「まだつかないのかな」と休み休み登って行くと、ようやく葦嶽山とその拝殿とされる鬼叫山のすぐ下の東屋に到着しました。

日本ピラミッドの拝殿「鬼叫山」

まずは鬼叫山(ききょうざん)へ向かいます。

鏡岩

かつては麓からも光っていたとか。

水晶玉が石の表面に埋め込まれていたともいわれています。

神武石

日本ピラミッド

もともと13本直列で並んでいたメンヒル的なストーン。

残念ながら、大正年間に石の下に神武天皇の財宝が埋まっていると噂が立ったおかげで、人々が押し倒してしまいました。

日本ピラミッド

現在、かつての姿で屹立した石は、画面中央の真四角の一本しか残っていません。

方位石

日本ピラミッド

4個の石で組み合わさっていて、継ぎ目の先は正確に東西南北を指しているといいます。

獅子岩

日本ピラミッド

スフィンクスに見えるかわいらしい巨石です。

日本ピラミッドの本殿「葦嶽山」へ

日本ピラミッド

鬼叫山からは、酒井が日本ピラミッドの本殿と断定した葦嶽山の山頂が見えます。

葦嶽山の山頂へは、尾根伝いの道をたどって徒歩5分です。

日本ピラミッド

葦嶽山山頂(標高815m)

ここにはかつて、太陽石を中心に環状列石がありました。

しかし、戦前、邪教として国家権力により破壊されたそうです。

山頂から見渡すパノラマは自然そのもので、新緑が目に眩しいほど。

しばらく山頂を堪能してから、灰原ルートで下山開始。

鷹岩・天狗岩

日本ピラミッド

それぞれ、山頂から少し下ったところにあります。

日本ピラミッド

天狗=猿田彦神とのつながりでしょうか。

約2時間半の駆け足ハイキング

下山に使った灰原ルートは、山頂から灰原登山口まで徒歩約20分。

ハイキングルートとしてたいへん歩きやすく整備されているので、家族連れでも安心です

そこから野谷登山口まで約40分かけて駐車した車まで戻りました。

[上り]野谷登山口(駐車場)15:40発(野谷ルート経由)〜鬼叫山〜葦嶽山頂16:40着
[下り]葦嶽山頂17:10発(灰原ルート経由)灰原登山口17:30着(車道徒歩)野谷登山口18:10着
2011/05/13 訪問