以前ネットで、「東寺に毎朝6時から早朝のお勤めに参加でき、近所の信者さんたちが仏舎利をもらいに集まる」と読んだことがありました。
興味はあったものの、さすがに早朝なので今まで参加できないままでしたが、今回やっと行くことができました。
暗闇の東寺はちょっと怖い
まだ夜明け前なので東寺に真っ暗闇でした。
ほんと幽霊が出そうな雰囲気。
うわっと思うと、信者さんが暗闇でぽつりお経をあげていたりとちょっと不気味。
時間前になると、おじいさん、おばあさんがどこからともなくお勤めの行われる御影堂の門前に集まりました。
年齢層はご想像のとおり、ほとんどが大正か昭和一桁世代だろうなという様子。
私なんか孫やひ孫といった感じです。
不安な気持ちでキョロキョロしていると、カンの鋭そうなおじいさんがやさしく声をかけてくれました。
あいさつや世間話をして、早朝のお勤めがどんな流れで行われるか、かいつまんで教えてくれました。
朝のお勤めに参加
東寺で毎朝おこなわれている朝のお勤め。
正式名は「生身供(しょうじんく)」と呼ばれています。
毎朝、弘法大師に食事とお茶をお供えするのが目的というもの。
誰でも時間までに境内の御影堂へ集まれば、参加できるというありがたい行事。
いよいよスタート
6時になると御影堂から鐘が鳴り、それが入っていい合図。
気づくと、30人近くになっていました。
不動堂や毘沙門堂を巡ってから、御影堂の中にはいると、信者さんがお経をあげています。
奥の祭壇をみると、お供えをあげるお坊さんが行ったり来たりしていました。
お経というのが、いくつかの真言のあと弘法大師和讃など節をつけて読むお経を初めて生で聞いて、じーんときて涙が出てきました。
僧侶と信者の悠久のコラボレーション
1,200年前の唐の長安から当時の京の都にタイムスリップした感覚。
この声明が由来の独特の節回しが現代まで続いてきたのかと思うと、自分がその場にやっと戻ってこれたような、自分もずっとやってきてたんだなという不思議な心地。
魂のふるさとっていうのはほんとこういう場所のことをいうのかもしれません。
京都と自分の因縁がさらにわかった思いでした。
ありがたく仏舎利をいただく
しばらくすると、門前のときのおじいさんがやってきて、奥に掛かっている仏画の説明と、これからお坊さんが前までやってきて仏舎利を掌と頭に当ててくださるから、掌を上にして待つように教えてくれました。
そのときちょうど、新参者なので邪魔にならないように一番端っこで座っていたのですが、そのおかげで一番目にそのご利益を受けることができました。
このタイミングで来るべくして来たんだなと嬉しさも一塩。
ぜひ早起きして早朝の東寺体験を
早朝のお勤め、とても素敵なひとときです。
これまで明るいうちの東寺しか知りませんでしたが、一味違う東寺のさらに奥の魂の部分に触れることができました。