スタバでノマドに憧れる日々
スタバでMacBook airを誇らしげに広げてカチャカチャと仕事をする。
そんなワークスタイルのイメージ、ノマドという言葉を知ったのは2012年だったろうか。
何でもカタチから入る。
そういえば聞こえはいいけれど、生まれつきミーハーな私は、友達がMacBook airを買ったと聞けば、自分も欲しい病に駆られて何日も悩んだりする。
ライターの仕事が少しずつ軌道に乗り始めた今年。
それまでは無頓着だった仕事の環境をいかに整えるかということを考え始めた。
ノマドというのはフリーで働いている人間にとって果てしなく魔力がある。
その一環として今春、沖縄に一週間滞在して、現地のホテルで仕事をやってみようと試みた。
しかし、出発前の仕事のやる気モードは暑い那覇空港に降りたった途端みるみる萎んでしまって、沖縄人を手本とするかのようにオリオンビールを飲んでは終わる日々になってしまった。
2年で3台も壊しまくる
仕事をどこでするのか。
仕事をどういうツールを使ってやるのか。
それは、一人の人間のワークスタイルに根ざす根本的な問題である。
元々旅好きということもあるので国内外を問わず仕事場を世界として働くノマドスタイルには憧れもあるし、どちらかと言えばなじむタイプだと思う。
幸運にも今の書くという仕事がノートパソコン一つあれば大丈夫というのも大きい。
ここ2年ほど、外出先でも家でもiPad2の一体化キーボードでひたすら書き続けるというスタイルだった。
iPad2は下手なノートパソコンなどよりバッテリー持つし、処理速度も速い。
その一体化キーボードも2年で3台を潰してしまい、今後も同型のキーボードを使うのかとふと立ち止まった。
メーカーも一日中、このキーボードが酷使されるような使い方は想定しなかったはずである。
キーボードとしてはあくまで簡易的なものなので、Bluetooth接続が容易というメリットを差し引いても使いづらさは否めなかった。
そんなとき、iOSでATOKが使えるようになるとの朗報を知った。
これならiPad2でこのまま乗り切ってもいいかとも思ったが、外部接続のキーボードには対応していないと知り、ショックを受けた、
今年の梅雨明けぐらいから、仕事の質量ともに一段階上がったことから、一年前に契約したきりになっていたATOK passport(ATOKの月額会員)をまた使えないか検討していた。
iOSでATOKが使えないなら2012年夏に出先のネットサーフィン用に購入していた非力なモバイルパソコンを使うしかない。
高級キーボード5万円なり
そこで改めてキーボードをどうするかを考えることとなった。
それまで使っていたiPad2一体型にせよモバイルパソコンにせよ、ひたすら打ち続けるには手指も手首もすぐに疲れて痛めてしまう。
そこで思いついたのが高級キーボードだ。
キーボード(1)FILCO Majestouch MINILA Air 茶軸
まずはiPad2でも使えるようにFILCOのマジェスタッチミニラエア(茶軸)を購入した。
メカニカルキーボードをコンパクトにまとめたミニラをさらにBluetooth接続可能にしたシリーズだ。
約13000円だったのでさすがにキーボード一台に投資するにはためらったが、これと専用のパームレストを使うだけでずいぶん手首の痛みが軽減された。
さらに、大きなメリットだったのが打ち込み速度が大幅に向上したことである。
キーの跳ね返りが早いので、体感的にこれまでの倍速ぐらいで早打ちする事ができる。
キーボード(2)FILCO Majestouch2 91テンキーレス 青軸
気をよくしたのでさらに自宅のWindows7のノートパソコンに接続している外付けキーボードもマジェスタッチのUSB優先キーボードに買い換えることにした。
こちらは約1万円弱。
キースイッチは青軸にした。
この青軸が自分の打ち方には相性が良くなかったようで一ヶ月ほど使用しても慣れてこない。
キーボード(3)東プレ キーボード REALFORCE91UBK-S
そこで、さらに思い切って高級キーボードの代名詞でもある、東プレのリアルフォース、91テンキーレスを買い足した。
これが1万5千円ほどだった。
東プレのキーボードはさすが高評価が寄せられるだけあってミニラエアの茶軸のような早打ちはできにくいが、大幅に手首の痛みが少なくなった。
ここ2年ほど通っている癒道整体の先生から、私の場合、手首の使い方を見直して痛みが取れていけば全身の不調がどんどん快方されると指摘されていたので、それをいま体感している。
この夏、キーボード3台に費やしたお金が5万を越えてしまい、買い換えたいと思っているWindows7のノートパソコンを新調できる金額になってしまい結構な投資になってしまったが、書くという仕事を続ける上でいつかは通らなければならない道だったかもしれない。
キーボードから働く場所へ
働く環境を見直すという点で仕事をする場所も悩みの大きなポイントである。
今年に入って集中的に行きつけの珈琲屋さんのご厚意もあり長時間仕事をさせていただいている。
とくに私などは小さい頃から落ち着かない人間で、自宅で仕事机に向かっていると叫びたくなるようなぞわぞわに襲われる。
どこか外で誰かの視線にさらされているという環境は仕事へ集中するという点からもポジティブに作用するようである。
この仕事をする店というのも神経質な自分はとても選んでしまう。
ときどき使っていたコアワーキングスペースは閉まってしまったし、近くに新しくできたシェアオフィスも見学に行ってみたが月額会員のみという固定費もネックだったが共有の冷蔵庫に1.8Lのいいちこ紙パックがよく冷えているのを見て仕事の環境としてはどうかと保留になったままとなっている。
カフェや喫茶店は仕事場としては落ち着かないし、その日の客との巡り合わせによってはもろもろ感じてしまって仕事どころではなくなってしまう。
その点、スタッフさんも店内の雰囲気もお客さんの感じも安心できるのが行きつけのお店。
やはりいま出先で唯一仕事に集中できる珈琲屋さんの存在はとても大きい。
机一つ、椅子一脚から
ただ、整体で見てもらって調子が整った翌日、いつものように珈琲屋さんで仕事をしていた。
1時間ほどだったがどうもその後、足首の調子がおかしいことに気づいた。
自分の座っている両足を見てみると、今まで気づかなかったのだが机が若干低めのため両足を内側に折り畳んで足首にかなり力を入れる姿勢で仕事をしていることに気づいた。
仕事の環境を見直すと言うことは、生活スタイル全般に及ぶことを知った。
仕事のしやすさを追求しようとすればパソコンやキーボードはもとより、机一つ、椅子一脚から見直さなければならない。
アウェイに憧れ、ホームが落ち着く
ノマドに憧れていたわりに体も心も神経質な私は、もしかすると常に出先で、また旅の空で動き回って仕事をするというスタイルはどこまでマッチするのか新たな自問を始めることになった。
今度自宅で使うメインのパソコンを買い換えるのであればノートパソコンにしようと思っていた。
震災以後、いつこの場を離れなければならないかもしれないという漠然とした不安がデスクトップすら買うのを悩んでしまう自分にさせている。
だからといって、ノートパソコン一つを抱えて仕事に出るというは落ち着かないばかりか、自分の安心したホームやテリトリーを定めたいとする生来の欲求と逆行することにもなる。
そして、自分が一番自分でいられる場所はどこか。
そのためには引っ越すことも視野に入れて考えなければいけないのではないか。
生き方のホームグラウンドを求めて
ノマドを推進することもしたい反面、環境を定めて整えることもしたい。
これは仕事のみに関わることではなく、自分がどこで生きたいのか、誰と生きたいのか、何と一緒に暮らしたいのか。
そういう生き方そのものを見直さなければならないことになってしまっていて、ただ時間をかけて一つ一つ心の箱に折り畳んでいくことに来春までは時間を費やしそうである。
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