天橋立周辺には、インターネットで検索してもほとんど情報に乏しいような磐座がいくつもあります。
元伊勢に関連する巨石の存在
3年前(2011年)だったか、元伊勢の一つといわれる京丹後市峰山町の比沼麻奈為神社を訪れました。
御神体山である久次岳には豊受大神が降臨したときの秘蹟が残されて磐座があるというので登山をし、中腹の大饗石(おおみあえいし)までたどり着くことができました。
この久次岳に点在する磐座もなかなか情報がないものの、地元では当たり前のように存在している貴重な石たちです。
ご利益のために神社巡りを始めたり、自分のなかの様々な淀みをクリアにするため、やがてそうした目的も消えて行って何のためなのだろうか、ただそこに忘れられそうになる磐座があると確認するために導かれるのが私の旅だと思うまでに何年かかったのでしょうか。
それまでにさまざまな別離も出会いも、大変なことも楽しいこともたくさんあって、いま人生の正念場、荒波のなかといえでも不思議に前向きで明るい方向が見えています。
雲岩寺跡に遺る磐座
雲岩公園の山頂にある雲岩は、文殊菩薩を警護する毘沙門天が乗って来たという伝承があります。
山全体は中世まで雲岩寺という真言密教寺院があって、開基は六甲山にある摩耶山天上寺と同じく法道上人と伝わります。
天竺(インド)から金雲に乗ってやって来た、伝説的な僧侶です。
往時はこの地方でも大規模な寺院だったようですが、大永五年(一五二五)に出石の金蔵寺(現在の兵庫県豊岡市但東町)と兵火を交えました。
戦いに負けた雲岩寺は伽藍の多くを失って衰退したようです。
山頂部にそびえる磐座の迫力
山頂広場から見た雲岩は予想以上に大きなものでした。
さすが岩にはいまだに密教の薫りが残っています。
六甲山の磐座とつながっているような感覚
下部へ回り込む道を辿ると、雲岩は山頂広場から見る何倍も大きさがあるようです。
六甲山にある六甲比命神社の巨石が思い浮かびました。
ちょうどこちらの雲岩は妹さんのような印象です。
岩の洞穴にはひっそりと菩薩像が祀られていました。
何菩薩でしょうか。
雲岩に刻まれた如来像図。
与謝野町野田川の町を見守るように雲岩は佇んでいます。
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