京都で所用があり、その前日、いつものように天橋立の真名井神社に行くことにした。
昨年は足繁く通っていたが、今年は2月、雪の心配をしながら訪れたきりとなっている。
真名井神社と丹後
籠神社の摂社である真名井神社は、自分が訪れた聖地のなかでももっとも波長が合って魂ごと包まれる気持ちにさせてくれる。
一般には元伊勢の籠神社のほうが有名で、スピリチュアルに興味のあるひとでなければ摂社であるこちらまで訪れる機会は少ないだろう。
さて、これまでであれば、天橋立に行けばまず朝イチで真名井神社に行き、その後、亀岡の元出雲として名高い出雲大神宮、京都市内に入り下鴨神社に粟田神社、そして東寺や伏見稲荷に参拝するのが常となっていた。
しかし、今回はなぜかそのいつもの流れでない感じが強く、前もってルートを考えるのはあきらめ、現地で流れに身を任せることにした。
流れにしたがって
当日の午前3時、天橋立にもっとも近いサービスエリアの西紀でiPhoneをいじりながら、天橋立周辺について調べていた。
天橋立のあとは大江山の元伊勢の流れになるのかなぁと思っていたら、ふと外宮の元伊勢である比沼麻奈為神社が目に留まった。
以前、ネットで見たことはあったがすっかり存在を忘れていたし、神社としてはさほど大きいわけでもないのでこれまで一度も訪れたことがない。
どうにもこの神社が気になってネットを続けていると、この神社の背後に御神体山である久次岳なる山があり、こちらは別名・真名井岳ともいうのだそうで、真名井つながりと知りますます行ってみたくなった。
さらに、この山は地元では聖なる山としてほとんど登られることがないらしいが、山頂や山腹に磐座があり、頂上部は禁足地だが8合目までは登れるとのことだった。
天照大神に捧げる供物を置く平らで巨大な岩の写真を一目見て、これは行ってみたいとわくわくしてきたのだった。
元伊勢外宮の一社
与謝天橋立ICを降り、30分ほど車を走らせると京丹後市は峰山町の久次集落がある。
その一番奥に比沼麻奈為神社はあった。
村の小さな神社である。
それにしても清潔感が著しく際立っていて、まさしく伊勢神宮の空気をそのまま湛えている。
さすが元伊勢、外宮の豊受大神が一時ここに鎮座したと伝わる古社だ。
鳥居は伊勢と同じ神明造である。
ちょうど挨拶をかわした宮司さんと女性の方が掃除をされていた。
境内の敷砂を熊手で丁寧に波紋の模様に表している。
シンプルな本殿と拝殿と相まって、まことに清冽で引き締まったご神気である。
「丸に真の字」のご神紋
拝殿や境内社にはすでに雪がこいがされていた。
白いカバーで覆われていたが、ご神紋が「丸に真の字」であるのがとても興味引かれた。
それよりも、この境内の空気がとてもすばらしかったがいままでに感じたことのない様子である。
たしかに一見、伊勢の空気をしっかり保っているのであるが、土台で支えているのは出雲のエネルギーのような濃密なものだった。
いってみれば、陰陽を表す太極図のようで、陽が伊勢、陰が出雲となって両者相まって共存している新鮮さをおぼえた。
御神体山の久次岳へ出発
時計を見ると8時過ぎになっていた。
駐車した鳥居前まで戻り振り向くと、鳥居の向こうに久次岳の山頂が顔を出している。
さて、車をここに置かせてもらい、いよいよネットで手に入れた一枚の地形図とだいたいのルートだけを頼りに久次岳の登山口へと向かった。
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