新潟から金沢へ:現代アートを巡る旅 #2 越後妻有里山現代美術館MonET

諏訪から長野道を北上して新潟を目指した。

姨捨SAから善光寺平を望む

姨捨サービスエリアで昼食後、豊田飯山ICから野沢温泉方面へ国道117号線をひた走る。

どこまでも広々とした平野の奥に山脈が続いて、信州らしい光景だ。

大地の芸術祭の拠点となる美術館

最寄りの高速から1時間半で到着

千曲川沿いに走る国道はやがて山間部に入っていく。

1998年開催の長野オリンピックや震度7を観測した新潟県中越地震で知られる栄村を通り過ぎると、すぐ新潟県に入った。

少しずつ国道沿いに民家や店舗が増えていって、田舎町の雰囲気になってきた。

インターから1時間半ほどで十日町市の越後妻有里山現代美術館MonETに到着した。

地域交流の拠点に美術館

駐車場そばにも現代アート

ナビで道路から駐車場に入ったとき、最初ここが美術館の場所で合っているのかわからなかった。

道の駅の看板をはじめ、「新米入荷」や「コロナワクチン接種会場」の張り紙が目立っていて、町の公共施設に間違えて入ったと思った。

駐車場からおそるおそるそれらしい建物に近づいていって、やっと美術館の案内板を見つけてほっとした。

どうやら越後妻有交流館キナーレという市民交流の施設内に美術館が入っているようだ。

水庭が印象的な建築物

この美術館の目玉は、コンクリートとガラス窓の建物で四方を回廊で取り囲んだ水庭「空の池」だ。

アルゼンチンのレアンドロ・エルリッヒの作品である。

金沢21世紀美術館を代表する作品「スイミング・プール」の作家といえば、ピンとくるかもしれない。

石川県金沢市にある現代美術館です。来館情報、展覧会、イベント、教育普及プログラム、コレクションの紹介など。

静かな水面の上に空や建物が映し出されていると思いながら美術館の二階の鑑賞ポイントに立つと、建物の鏡像が幾重にも折り重なっている。

回廊を歩きながら角度を変えるにつれて、作品の姿も次々と変化する不思議な印象だった。

美術館では常設展示のほか、写真家・森山大道の展覧会も開催中。

コンパクトにまとまっていて、気軽に鑑賞できた。

館内の作品は撮影禁止だったため、入口のみの写真をアップする。

尖ったグッズが目白押しのミュージアムショップ

ミュージアムショップでは大地の芸術祭の公式グッズをはじめ、草間彌生をはじめ所蔵作家の関連グッズなども並んでいる。

一階に降りて、日帰り温泉の食堂がやっているオープンテラスのカフェで休憩。

来館の記念にミュージアムショップで買った公式ピンバッジと魚沼産の新米コシヒカリ『大地の米』、そして十日町市の蔵元・魚沼酒造の純米吟醸『天神囃子』のワンカップをテーブルに出してみた。

芸術祭の公式グッズだけあって、デザインがオシャレで楽しい。

新潟県は越後妻有(十日町市・津南町)で開催されている世界最大級の国際芸術祭「大地の芸術祭」の公式オンラインショップです。

観光客と地元客が交錯する

夕方の日陰で少し肌寒い風が吹いてくる。

ちょうどカフェテラスの隣が、日帰り入浴施設の玄関になっている。

地元の入浴客がときどき出たり入ったり、手押し車のおばあさんたちが会話しながら「さよなら」と言い合って解散したり。

近くに高校があるようで、高校生たちが目の前を通り過ぎていったり、

水庭のほとりで若い青年2人がずっとくつろぎながら談笑していたり。

このキナーレが地元に密着する交流施設として活躍している様子を肌で感じた。

『新潟から金沢へ:現代アートを巡る旅』のきっかけとなった

平手友梨奈さん表紙の「BRUTUS Casa」2020年9月号はこちら