新型コロナで試行錯誤した母の介護メモ

2020年初頭からはじまった新型コロナウイルス感染拡大。

母の介護を続けている私の生活にも大きな影響がありました。

その一つが、介護でよく話題になる、家族がデイサービスに行ってくれない問題でした。

コロナ禍でデイサービスを休むことになった

母も、毎年、冬になるとインフルエンザや風邪の流行を嫌って1ヶ月から2ヶ月くらいデイサービスを休んでしまいます。

寒さのせいでメンタル面でも落ち込んで活動的でなくなるのも大きな原因のようです。

最初はなるべく行かせようとしていましたが、ここ数年は1月や2月はデイサービスを休むものだとあきらめて、1ヶ月単位でお休みさせるようにしていました。

そして2020年に入って、新型コロナウイルスのニュースがテレビで話題に取り上げられるようになると「行きたくない」と言い出すようになりました。

週に1、2回のデイサービスは、もともと社交的でなく、できるだけ家で一人で過ごしたいという本人にとって気持ちの歯車が狂うと途端に行く気がダウンしてしまいます。

ただ、家族にとってはたとえ週1回の半日のデイサービスでも、自宅に介護をしている本人がいないことは家の掃除がしやすくなる、自分も自宅でのんびりできる、安全な環境で本人の生活リズムが整えながら他人とコミュニケーションを取る機会が増える、など、貴重な機会です。

コロナ以降に変化した生活スタイル

家族としては、回数は減ったとしてもデイサービスに通ってもらいたいもの。

しかし、これまで経験したことのない新型コロナウイルスの脅威がどれほどのものかわからなかったため、慎重な姿勢で生活を続けることにしました。

デイサービスはコロナが落ち着くまで休む

まず、2月から4月にかけて、母の希望でデイサービスはしばらく休ませました。

一人暮らしのお年寄りや仕事で家族を家に置いたままにしておけないという家庭とちがって、フリーランスの私が自粛によるステイホームで在宅しているので問題はありませんでした。

四六時中、母が家にいるといった環境は精神的にかなり大変でしたが、コロナ禍である程度あきらめをつけました。

デイサービスの代わりに散歩やリハビリを増やした

母には、デイサービスの施設そのものは休業していないこと、以前の3分の2ぐらいの利用者は緊急事態宣言の間もデイに通っていることを伝えたうえで、定期的に外に出て体を動かすことを約束させました。

具体的には、週2回のヘルパーの買い物同行とは別で、週に2回程度、運動と日光浴のため近所の神社まで散歩に出かけるというものです。

内容は往復1km程度、ゆっくり歩いて正味20分程度の散歩でした。

家を出てから近所のコンビニに立ち寄ってパンやお菓子、飲み物などを買って、神社に向かい、境内で日に当たりながら休憩。

そして家まで歩いて戻るというルートです。

高齢者にとって買い物でお金を使って自分が欲しいものを手に入れることは、非常にストレス発散になります。

コンビニから神社までは家に戻るルートとしては遠回りになるのですが、休憩しておやつを食べるという目的があると足取りも軽くなりました。

また、散歩とあわせて、自宅ではリハビリ体操を続けさせました。

以前、足首の骨折後に整形外科の理学療法士に教えてもらった自宅でできる簡単な背筋や体感を鍛えるリハビリ体操と、器具を使った足ふみ運動です。

そのほか、かかりつけ医である循環器内科の心リハ(心臓リハビリテーション)と健康管理のための漢方外来への通院は続けました。

通院後はできるだけ喫茶店や回転寿司に連れて行って、デイサービスやその他の外出ができなくなった代わりのメンタルケアに努めました。

入浴回数を増やす

コロナ以降、入浴習慣も大きく変えました。

外出日は必ず帰宅直後に服を脱がせて、シャワーやお風呂を浴びるようにしています。コロナが流行するまで、もともとお風呂があまり好きではない母は、夏以外は週3〜4回の入浴でしたが、週6日に。

入浴の目的は衛生面を保つとともに、体温を上げて免疫力を維持するという目的もあります。

もしお風呂に入らない日があった場合も、体を温めるため足湯させるようにしました。

小さな生活習慣がやがて実を結ぶ

新型コロナウイルス感染拡大によって、高齢者もその家族も生活がベースから変化せざるを得ない状況が続いています。

コロナ禍を通して、本人が楽しく元気に過ごしながら、家族も仕事やプライベートで活躍できるには小さな工夫の積み重ねが大切だと改めて気づきました。

試行錯誤の成果が出たのか、ここ半年、母は周りから「すごく明るく元気になった」「足取りがしっかりしてきた」と言ってもらえるようになりました。

何より、母自身が自分の健康や生活に自信がついてきたのが大きいと感じています。

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