「緊急小口資金」特例貸付20万円の申込みから振り込まれるまで

市町村の社会福祉協議会が窓口の「緊急小口資金」の貸付が通って、20万円が振り込まれました。

緊急小口資金とは、低所得者が一時的な生計困難になったとき、福祉で10万円を貸付してくれる生活福祉資金制度。

今回の新型コロナウィルスの経済対策で、融資の条件が広がって、特例で20万円まで利用可能なのです。

緊急経済対策では、

「一律の現金給付じゃなくて、融資ばっかり」

という不満の声もネットでは耳にします。

たしかに、緊急小口資金も貸付なのですが、

【無利子・無担保・保証人不要】

というメリットは大きいですね。

ここでは、実際に申し込みから口座に振り込まれるまでの流れをご紹介します。

コロナ禍で、緊急小口資金や総合支援資金といった福祉資金の申請方法や貸付・返済条件が何度も変更になっています。

最新情報を厚生労働省や社会福祉協議会の公式サイトで確認してください。

新型コロナウイルス感染の影響により収入が減少し生活に困窮する方に必要な生活費用等の貸付や、住居を失うおそれが生じている方々に一定期間家賃相当額を支給します。

緊急小口資金とは

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緊急小口資金は、以前から都道府県の社会福祉協議会が運営元となっている福祉行政の一つ。

生計が厳しくなった人に世帯単位で10万円を貸し付けるというものです。

ただ、今回は新型コロナウイルスの影響で通常10万円以内のところ、特例で20万円以内まで貸付が受けられます。

自治体によって多少、違いはあるようですが、基本的に次のような内容です。

貸付対象

「新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休業等により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のため貸付を必要とする世帯」

つまり、今年に入って新型コロナウイルスが広がったせいで、育児休業したり、仕事が減ったりした人が対象。

ただし、世帯単位なのがポイントですね。

生活保護世帯は対象外です。

貸付限度額

10万円 または 20万円

新型コロナ対策で20万円の特例ができました。

特例で申し込むには、次のいずれかの条件にマッチしていることが必要です。

1.世帯の中に新型コロナウイルスの感染者がいる
2.世帯の中に要介護者がいる
3.4人以上の世帯
4.臨時休校になった小学校などの子どもがいたり、新型コロナウイルスに感染した子どもがいて、世話が必要になった労働者
5.世帯に個人事業主などがいて、収入減少のため生活費が不足する
6.その他、特例が認められる場合

私の場合、厚生労働省や社会福祉協議会のサイトで確認した3月末の時点では、5.の個人事業主のケースとして申請を考えました。

申し込み

緊急小口資金の受付窓口は市町村の社会福祉協議会です。

私の住む市では市役所に総合福祉窓口があって、社会福祉協議会の出先になっていました。

新型コロナウイルスが心配で、できるだけ一度で済ませたかったので、前もって必要な書類を電話で確認しました。

すると、申し込みには事前に面談予約が必要とのこと。

予約日時を決めて、おおよそのこちらの事情を伝えると、必要な書類を教えてくれました。

●必要書類(私の市町村の場合)

・本人確認書類(運転免許証など)
・住民票(世帯全員)
・実印/印鑑登録証明書
・減収や離職が確認できる書類
(預金通帳や給与明細書など)
・貸付金の振込と返済に使う銀行口座の通帳と銀行印

地域によって多少違いはあるようですが、だいたいこんな感じです。

減収をどうやって証明するか

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一番、気を使ったのは「減収や離職が確認できる書類」でした。

フリーランスでネット銀行を使っているので、ちょっと考えました。

電話では「売上の入金の流れがわかって2月、3月あたりが減っているのがわかればいい」とのこと。

そこで、ネット銀行の取引明細と、12月分から3月分の売上の推移を簡単な表にまとめてプリントアウトしました。

また「振込や返済の銀行口座は、地元の地銀で」といわれたので、ふだん使っていない通帳と届出印も用意しました。

くわえて「4月頭の年度初めで市役所は混雑しているはず」と思って、住民票と印鑑登録証明書は、百貨店にある、いつ行っても空いてる市民サービスセンターで前もって取っておきました。

窓口での手続き

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電話予約したのは4月1日。

面談予約は4月7日でした。

ただ、もっと早くても予約は取れそうでしたが、以前からその日にまとめて市役所の色々な手続きをしようと思っていたので、合わせたのです。

面談で窓口に訪れると、

「今日は担当者は不在なので」と代わりの職員さんが対応してくれました。

あらかじめ手続きにはだいたい1時間かかるといわれました。(実際には30分弱で済みました。)

最初、フリーランスで減収したことをどう伝えようかと迷っていたところ、担当者のほうから、

「職業は?」と聞かれて、

「ライターです」と答えると、

「取材案件などがなくなってるんですね」

と言ってもらえて、あとはスムーズに。

「私のクライアントは東京に集中しているので、今回の緊急事態宣言の地域。これまでも、これからも影響が大きい」といったあたりを強調して話すと、担当者は淡々とメモをとっていきました。

そのまま、すぐに融資内容の説明に。

そして、持参した書類の確認へと滞りなく処理されていきます。

最後は、申込書、借用書、重要事項説明書にそれぞれ署名・捺印。

職員の最終チェックやコピーがあって、申し込み完了です。

口座で振込を確認!

審査を受け付けて問題なければ4営業日後に口座に振り込まれるとのこと。

決定通知書などはなくて、口座への入金=審査合格で貸付、という流れ。

「申請者が増えているので多少前後するかもしれないが、通帳記入をして確認してください」といわれました。

その後、申請日(4/7)から4営業日後の4/13、20万円の入金確認が取れました。

(ちなみに、特例での申込みで、私の世帯の場合は、個人事業主などでの減収とともに要介護者の条件にも当てはまりました。

審査内容は公表されていないので、どこまで審査に影響しているのかはわかりませんが、一応メモしておきます。)

返済方法・利子・返済免除

今回の緊急小口資金の特例貸付では、返済期間や利子についても優遇されています。

・返済まで1年間据え置き
・返済は1年後から24回払い
・貸付利子は無利子
連帯保証人は不要

あくまで給付ではなくて融資ではありますが、据え置き期間もあって無利子で返済も月額8,000円ほど。希望するなら繰り上げ返済や一括返済もできるそうです。

政府の発表によると、返済時点になっても生計が厳しい場合や住民税非課税世帯には、返済免除も行うとのこと。

具体的な条件はまだ決まっていないようですが、今回の新型コロナウイルス経済対策で通常では見られない特別な融資となっているのは確かといえますね。

まとめ:「緊急小口資金」特例貸付20万円の申込みから振り込まれるまで

貯金の有る無し、現時点で仕事が順調かどうかに関わらず、今後どのくらいの経済情勢の激動がやってくるかはわかりません。

10万円または20万円という金額に対する評価はさまざまだと思います。

ですが、これから半年、1年単位の備えや安心料と考えれて、私は今回申し込みました。

とくに特例では、一斉休校で仕事を休んで子どもの世話をしていたり、個人事業主やフリーランスで減収があったりしたり、新型コロナウイルスの影響にスポットを当てた内容になっています。

窓口で実際に申し込みしたときも、緊急時だから書類に問題なければそのまま審査に回そうといった印象を受けました。

また、電気やガス、水道などの支払猶予や免除もこの緊急小口資金を受けているかが条件になるという話もあるようなので、一度内容を確認してみてはいかがでしょうか。

2020年4月13日現在

詳しくは、厚生労働省や都道府県社会福祉協議会の公式ホームページをご覧ください。