この世で一番厄介なのは、生霊である。
幽霊ならどんなに悪霊であっても、最終的にあの世という帰って行く場所がある。
土地にしがみついて離れなかったり、悪質すぎるものは別として「供養」であったり「光に帰す」という方法を取ることができる。
一方、生霊は生身の人間から発しているものなので、極端な話、その相手が死なない限り終わりはない。
生霊対策は結局本人次第
生霊は、自分が強くなって相手の恨みの念を跳ね返すぐらいになるか、本人が違う対象に思いを持っていくか、その辺が分かれ目となる。
その点、祈祷師や霊能者というのはその都度サポートはできても、最後は生霊を受けている本人の覚悟が問題となってくる。
ヒーラーの世界でよく、心身を安定させてクリアにする一番の方法は、自身がヒーリングの手法を身につけることだ、といわれるのはそういう背景がある。
発信元はもっと身近に
生霊と聞くと、恨みつらみ、怨恨の果てというイメージがあるかもしれない。
しかし、実際は身近なところにも種は存在する。
もっとも辛いのは家族や恋人同士で生霊を飛ばしている場合だ。
いわゆる因縁の相手の最たるものである。
おどろおどろしいものと思うかも知れないが、生霊は人間の思いが見えない世界で具象化することである。
果てのない家族の闘い
旦那に対する嫌悪感だったり、恋人に対する失望だったり、さまざまな人間くさい感情が生霊となっていく。
これは、本人は相手を愛して応援しているつもりでも、実際には生霊になって相手を苦しめている場合も多いから面倒だ。
「もっと仕事を頑張って欲しい」
「収入を上がって子供たちのために尽くして欲しい」
一見、妻の側が自然に願う願望であっても、その思いが強すぎたり、こじれてしまうと生霊化して旦那にホコリのようにくっついてしまう。
生活を共有していることの重み
霊感が強い人であればなおさら相手の思いをストレートに受けてしまって、心身にダメージが溜まってしまう。
同じ空間で生活しているばかり、精神的にも経済的にも持てるものを共有してしまっている。
さらに性的な関係で結ばれた同士というのは、当然お互いに大きな隙を与えてしまっている。
愛し合うというのは相手を許すことでもあるが、その分相手の存在を自分に引き受けていることでもある。
プラスな感情がやってくるのであれば「幸せは分かち合えば100倍になる」のだが、マイナスな感情がこじれてくると当然のように「憎さ100倍」になって返ってくる。
「かわいさ余って憎さ百倍」ということだ。
別れても7年続く?
性的な関係というのは、霊的にもかなりデリケートな問題だ。
あるヒーリング体系の捉え方によると、一度肉体関係を持ったのち、何も対処しなければ7年間、その相手との見えない交流が続くとされている。
とくに粘膜を通して相手の存在の情報が受け渡しされる感じが強い。
関係した年数云々は別にしても、それだけ体の関係というのは心や魂に深く刻まれることになるのだ。
幽霊はリアルな世界が生む
そもそも家族であるというだけでお互いに生霊を飛ばし合っているので、そこから逃れるのは難しい。
そこに他人に恨みを買うというような問題が加わると、さらに対処が複雑となる。
ご本人が亡くなるまでは待てない、というのであれば、やはり自分自身の生き方を律していくのが近道だ。
それほど、見えない世界とリアルな世界は極めて密接にリンクしているのである。