一昨年(2016年)の秋から、あるプロジェクトに参加しています。地元の知り合いで中小企業の経営者さんが進めている企画です。きっかけは、新しいサービスを立ち上げたいからWEB分野のサポートをしてくれないかというものでした。
最初は自分でやっているブログ運営程度の感じかなと簡単に考えていたのですが、これがなかなか大変な仕事で、社長もまだはっきりとかたちにしていない、けれど長年あたためてきたアイデアがある。それを手探りで少しずつかたちにしていきたいということで、社内では社長さん以外、なにをしようとしているのかよくわからなという代物でした。
こういう記事を書いてください。はい、わかりました。というふうな、決まった仕事を割り振られてそれをこなすだけというライター業務をしてきたため、企画を一から作り上げるというのはお仕事という意味では初めてかもしれません。
社長さんが伝えてくれる話を聞いても、これまでの知識や経験と比較対照するものがないので自分の理解力がないのかと悩んだこともありましたが、「いやいや、まだ世の中にはないサービスなんだから、それは当然」といってもらえて安心したやら不安やら。
1年ほど定期的に打ち合わせを重ねて、試行錯誤のなかでブログを立ち上げたり、サービスの詳細を描いたり、そうこうしているうちに年末を迎えました。
昨年最後の打ち合わせで、来年からはプロジェクトを加速させたい。今以上に力を入れてほしい。ということになりました。ちょうど正月休みとなり、1年あまりの道のりを振り返りながらこのプロジェクトをどうリアルにしていくのかを改めて練り直しながら、ふと、これまでにないわくわくする自分に気づきました。
学生の頃、自分が書きたいと思う評論やエッセイを練り上げて文章にしていくときの楽しさや、論文を作成するための準備段階でひたすら細切れのアイデアをひねりだして、有機的につなげようとするプロセスの喜びなど、もともとクリエイティブなことが好きだった私が、久しく忘れていた感覚でした。
WEBライターを始めてもう10年になります。当時、体調を崩して実家の親に迷惑をかけていた頃だったので、最初は月に5千円でもいいから小遣いにしてバイト感覚でそれをちょっとずつ増やして行ければという程度の気持ちでのスタートでした。クライアントさんに叱られたり、思うようにライティングができなくて苦しいときもありましたが、ランサーズに登録して本格的にWEBライターとして頑張ろうと決めたのが6年ほど前になり、今に至ります。
ライターとしてステップアップしたい。そう願いつつ、もともとビジネス的なセンスも乏しいためいわゆる1円ライターやこたつライターといわれる状態からまだしっかり脱し切れていないのが実状ですが、それでも、年を重ねても<仕事>というものがよくぴんとこない自分にとってはありがたい日々でした。
しかし、WEBライターというのは「こういう記事を書いてください」とクライアントさんの企画の一部を担うので、当然与えられた仕事には変わりありません。今回の社長さんと一緒にプロジェクトを立ち上げる仕事を通して、自分がフリーランスといいながら、まだまだバイトやフリーター感覚で仕事をしていたのだと改めて気づかされました。
プロジェクトを立ち上げるというのは、すぐにお金が発生するわけではないのでやる気もなかなか起こりません。とくに取材もしないままバイト感覚でWEBライターを続けてきた私にとっては、たとえ安い単価であっても書いたらそれがお金に直結するライティングの仕事は生活のためにも優先されてしまいます。
けれど、1年あまりプロジェクトを0から立ち上げる経験をいただきながら、年明けからようやく、すぐにかたちにはならなくても新しいことをやることの楽しさを感じるようになりました。これって子供や学生の頃ならふつうに感じていた感覚かもしれません。
今回のプロジェクトはWEBライターとしての知識や経験だけでなく、ブロガーやアフィリエイト、マーケティングなどさまざまなジャンルの角度から企画を練り上げなければ太刀打ちできないものです。これまで何年も前からブログ運営やアフィリエイトの本を読んだり、詳しい人に教えてもらったりしながら、わかったようでわからない、ぴんとこない状態が続いていました。本を使って、アドバイスをもらって実際にブログやサイトを作ろうとするのですが、頭にもやがかかっている感じですぐに煙に巻かれてしまい、そうこうしているうちにやる気が失われて、の繰り返しだったのです。
けれど、今回家にあるそうしたジャンルの本だったり、以前ブロガーさんやアフィリエイターさんからもらったアドバイスなどを振り返っているとい、これまでのもやもやが嘘のように晴れて、するする理解が進んでいる自分がありました。
理想としては本を読んだとき、アドバイスをもらったときにすぐ行動してかたちにできれば最高なのですが、自分にとってはこのタイミングだったからこそなのかもと感じています。
2018年はライターのお仕事も頑張ります。ただ、案件数や質を厳選し、たとえ収入面では厳しくなっても、社長さんの企画サポートと同様、これまでずっと試行錯誤してもうまくいかずわからなかったブログやアフィリエイトの方面をわくわくしながら注力しようと考えています。