武蔵五日市駅の北東に天竺山という珍しい名の山がある。
周辺の地図を見ていて、この三内神社を見つけた。
あきる野市の天竺山は標高310mで、どこにでもよくある里山なのだが、全国で「天竺山」という名を持つ山は珍しい。
武蔵五日市駅から出発
あきる野市の武蔵五日市は秋川渓谷への玄関口である。
付近には「あきる野」という地名の由来になった阿伎留神社や、明治憲法で登場する「五日市憲法」が発見された深沢家があって、自然と歴史がのどかに残るエリアだ。
神社の最寄り駅は、JR東日本・五日市線の終着駅・武蔵五日市駅。
駅を出て高架橋をたどりながら東京方面へ向かう。
10分ほど歩くと、密集した住宅地に踏切が見えて、その先コンクリート製の鳥居が見えてきた。
踏切をわたって山道の参道を上がっていくと、やがて石段に変わる。
5分ほどで拝殿に着いた。
拝殿から本社へ登る
拝殿の奥から続く細道をさらに登っていく。
すぐに拝殿の屋根を見下ろす地点まで来た。
そのまま細い山道を上がっていけば三内神社の本社だ。
本社は天竺山の山頂部分にあって、標高は310m。
境内からは、あきる野市が一望できる。
遠くにプールで人気の東京サマーランドが見えた。
天竺山と法道上人
天竺山から想像を広げてみよう。
天竺=インドとのつながりをイメージさせることから、仏教や修験道のにおいを感じようと試みる。
法道上人(ほうどうしょうにん)という天竺からやって来た仙人がいる。
6世紀から7世紀にかけて、インドから紫の雲に乗って日本に渡来したといわれる伝説的な人物だ。
たとえば、兵庫県は法道上人の伝説が点在する地域である。
安産祈願の寺として有名な神戸の六甲山にある摩耶山天上寺の由緒にもその名が登場する。
紀元前6世紀、釈迦は、母親である摩耶夫人の供養のために十一面観音を彫った。
646年(大化2年)、その仏像をインドから持ち込んで本尊としたのが法道上人という。
ここあきる野の天竺山という山名も、仏教発祥のインドとのつながりを意識したものかもしれない。
【2017年6月9日 参拝】