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「結氷」

冬空の下 湖面を覗くと5歳の時の僕がいたその時 君は 一体 いくつだったのか山から吹き降ろす風は君のその表情ほど凍り付いてなんかいない別々に歩いて行こうと 諏訪湖の 湖畔のコテージで話し合った夜君の表情はまだ曇っていたけれど僕は見逃さなかっ...
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アフターコロナのためのエチュード#01 ねじれる社会と生存欲求

「不要不急」 「外出自粛」はどこへやら 死語と消えたか蓋しただけか* * *よく通っていた近所のクリニックに経営難の噂が出ている。普段から自分の通院はもちろん親の通院の付き添いで何カ所か病院に通っているのだが、たまに診てもらっている病院だっ...
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生き続ける恐怖を、本を読む行為で乗り越えられか

9月の10日あたりからようやく猛暑がやわらいで、息ができるようなった。8月から9月にかけて、体調を崩してしまってなかなか回復しないまま停滞しているものの、季節の移り変わりはなんともありがたい。心身共に少し落ち着いたタイミングで、ようやく今年...
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【自作詩】フラワーベース

二十歳の頃は肉体の中に心がちゃんと収まっていたいまでは、心の三歩後ろを肉体がちょこちょこついてくるこの心は透明なガラスでできた四角い器フラワーベースだけれどそこには水も花卉も入っていない空っぽだった人生の危機とは、心が肉体を持て余すようにな...
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【自作詩】見えないものの輪郭

透明なものなどこの世にはなくて透明なもの半透明なものもすべて輪郭が浮かびあがる輪郭という曲線が直線となりやがて刃先となってわたしのこめかみと喉仏に突き刺さるだけその、一歩先を理解する人は少ない一歩手前では無理解と同じだ銘酒を燗して味わうとき...
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キュレーションサイト記事で初心の苦しさを思い出す

もう3年以上前の話ですが、あるとき、書くのに『砂を噛む』ような記事案件をつい入れてしまいました。あるクライアントさんから、どうしてもって感じで頼まれてしまって。いつもなら依頼内容と単価を見て断るんですが、珍しくつい情にほだされてしまいました...
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ライターあるある|方言問題 〜「しまう」をどこに『始末』

以前やっていた、住まいに関するキュレーション記事案件での話。『収納』がキーワードでいくつも記事を書いて納品したところ、あるとき、表記で気になる点があると指摘されました。『仕舞う』って使わない!?「本を本棚にしまう」「服は衣装ダンスに仕舞って...
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時間、この世でもっとも苦手なもの

幼い頃から、時間というものの感覚がつかめないまま、すっかり大人になってしまった。この世で、一番私が理解が難しいもの、それが時間であり、この地上では時間は極めて等間隔に過ぎていく。異なる時間を持つ人たちのなかで体感的に時間が伸び縮みするものだ...
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生煮えの「日本の今」を頬張り続ける、私

日本がますます壊れていく。この国がどんどん悪い方向に向かっている。漠然とした感覚であっても、そう悲観的にならざるをえない現状のなか、このままこの社会が行き着く果てはどうなるのだろうか。そう肌で感じている人も少なくないだろう。「今の若者はダメ...
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【自作詩】可動式の塀

年をふるごとに人生の終着点が遠ざかっていくそして命の終わりが近づく生き方は未完成でそこにゆらぎがある時間が薄まっていく追い掛けられる時間より追い掛ける時間が増える暇つぶしが日々の目的となり人生を支配するものは時間ではなく生き方に内蔵される無...