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文芸雑感——俳句を中心としてーー[上]その2(1997年)

以下の文章は、上記のブログ記事のつづき 文芸雑感——俳句を中心としてーー       上 (その2) 俳句は老人の余技に過ぎないのものか ……かかるものは、他に職業を有する老人や病人が余技とし、消閑の具とする...
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文芸雑感——俳句を中心としてーー[上]その1(1997年)

散文(小説、随筆など)と韻文(詩、短歌、俳句など)の形式の違いやそれぞれの優位性について、日々考えていた20歳の夏休みに書いた、エッセイ。 (『立命館大学人文学会学生論集誌(第4号1998.7)』に所収) 文芸雑感——俳句を中心としてー...
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【詩】シャツ、裏返しで

近所の男の子、 よく話しかけてくれる その子の家からこちらにやって来る 長袖シャツを裏返しに着て ごあいさつをしてくれた と思ったら、 ずっと前に行ってしまった わたしのこどもの姿に変わった 長袖シャツはきちんと表で着て...
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【詩】領海に溶け込んで

私はいま どこにいるのかどこを彷徨っているのか日本にいるのか日本という国にいるのかそれともただ単に日本列島という土地に立っているだけなのか 私がずっと思っていた場所にじつは ずっと存在していなかったのかもしれない 離人感国なき...
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姉の次に生まれたボクはなぜ次男になれなかったのか。

大学に入る前、独学で精神医学とフェミニズムの勉強を一通りやりたい、という目標があった。 勉強といっても、図書館で専門書を読む、書店でお金を貯めて気になる本を買って読む、といったイメージだ。卒業するまでに、何となく全体像がわかっていれば...
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「結氷」

冬空の下 湖面を覗くと 5歳の時の僕がいた その時 君は 一体 いくつだったのか 山から吹き降ろす風は 君のその表情ほど凍り付いてなんかいない 別々に歩いて行こうと 諏訪湖の 湖畔のコテージで話し合った夜 君の表情はまだ曇っ...
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アフターコロナのためのエチュード#01 ねじれる社会と生存欲求

 「不要不急」  「外出自粛」はどこへやら  死語と消えたか蓋しただけか * * * よく通っていた近所のクリニックに経営難の噂が出ている。 普段から自分の通院はもちろん親の通院の付き添いで何カ所か病院に通っているのだ...
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生き続ける恐怖を、本を読む行為で乗り越えられか

9月の10日あたりからようやく猛暑がやわらいで、息ができるようなった。 8月から9月にかけて、体調を崩してしまってなかなか回復しないまま停滞しているものの、季節の移り変わりはなんともありがたい。 心身共に少し落ち着いたタ...
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【自作詩】フラワーベース

二十歳の頃は 肉体の中に心がちゃんと収まっていた いまでは、心の三歩後ろを 肉体がちょこちょこついてくる この心は透明なガラスでできた四角い器 フラワーベースだけれど そこには水も花卉も入っていない ...
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【自作詩】見えないものの輪郭

透明なものなどこの世にはなくて 透明なもの 半透明なものも すべて輪郭が浮かびあがる 輪郭という曲線が直線となり やがて刃先となって わたしのこめかみと喉仏に突き刺さるだけ その、一歩先を理解する人は少ない 一歩手前...
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