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【詩】卵が。でなく、殻がイヤ割れて溶け出すアリ意味。

目の前の 私を囲い込んでいる 世界の ひとつひとつの物。 と、事 から。それぞれ、そう ひとつ ひとつ 一個ずつ 意味が溶け出していく 意味が薄れる 物。 と、事 は。 すべて球体、 から卵型= 。紡錘体 となっていき割れたと云う殻から 殻...
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【詩】私は友達になれない、なぜ。

君と僕が親友だったなんて もうこの世でそんな大事なことを知っている人なんていないはずなのに わたしは、いつも 君と僕が 恋人以前 と 以後の 不思議なスペースがあったことを感じている 君は。もう。いなくなってしまったけれど、 僕は、カナシイ...
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【詩】骨格

骨格のような人生 のような骨格が。 無数に方々へと散らばって 私は私の骨を拾う ぬるりとした人生 気づけば自ら首を絞めていたし 私の影が足首をつかんで引っ張り下ろそうとしていたり 信じる には 疑いすぎてしまい 疑う には 感じすぎてしまっ...
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【詩】ゼロをイチに変えるということ、イチから無数に広げられると自負している人

あるとき友人が、見えない世界を取り扱う世の中には ゼロをイチにする人と イチを10や100や1000にする人と 2種類いるのだといった。 どのくらいの比率なのかと尋ねると イチを無数に広げられる人ばかりだという、 ゼロをイチにする人はまった...
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【詩】白い光を手のひらで持ち続けることができない

気軽に仲間に誘ってくる人たちが多くて どうして 閉じられた世界でしか使えない通貨ばかり 溜め込もうとするのか 開かれた白い光の世界との境目は、もう すっかり消えてしまっているのに シームレスな世界を求めない人たち は、じぶんがみえないじぶん...
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文芸雑感——俳句を中心としてーー[上]その2(1997年)

以下の文章は、上記のブログ記事のつづき 文芸雑感——俳句を中心としてーー       上 (その2) 俳句は老人の余技に過ぎないのものか ……かかるものは、他に職業を有する老人や病人が余技とし、消閑の具とするにふさわしい。 しかし、かかる慰...
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文芸雑感——俳句を中心としてーー[上]その1(1997年)

散文(小説、随筆など)と韻文(詩、短歌、俳句など)の形式の違いやそれぞれの優位性について、日々考えていた20歳の夏休みに書いた、エッセイ。 (『立命館大学人文学会学生論集誌(第4号1998.7)』に所収) 文芸雑感——俳句を中心としてーー ...
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【詩】シャツ、裏返しで

近所の男の子、 よく話しかけてくれる その子の家からこちらにやって来る 長袖シャツを裏返しに着て ごあいさつをしてくれた と思ったら、 ずっと前に行ってしまった わたしのこどもの姿に変わった 長袖シャツはきちんと表で着ていて でも、 短パン...
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【詩】領海に溶け込んで

私はいま どこにいるのかどこを彷徨っているのか日本にいるのか日本という国にいるのかそれともただ単に日本列島という土地に立っているだけなのか 私がずっと思っていた場所にじつは ずっと存在していなかったのかもしれない 離人感国なき民のうごめき ...
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姉の次に生まれたボクはなぜ次男になれなかったのか。

大学に入る前、独学で精神医学とフェミニズムの勉強を一通りやりたい、という目標があった。 勉強といっても、図書館で専門書を読む、書店でお金を貯めて気になる本を買って読む、といったイメージだ。卒業するまでに、何となく全体像がわかっていればいい、...