道後温泉のまちに生まれた伊予猿として(8)ホテル奥道後が『奥道後 壱湯の守』としてリニューアル

カルチャー

ホテル奥道後が半年のリニューアル工事を終えた。

2014年7月2日(水)にリスタートしたホテルはその名も新たに『奥道後 壱湯の守』。

早速、日帰り温泉の利用で訪れてみた。

この記事の情報は2014年7月現在

古き良き昭和の雰囲気は今

リニューアル前は昭和の薫りを残すジャングル風呂が名物だった。

源泉掛け流しで入浴料金も500円ほどと、そのお湯の良さと安さでよく通っていた。

リニューアルにあたって3つの心配事とは?

リニューアルされてどうなることかと心配しながらランチバイキングのチケットを購入する。

リニューアルされるにあたって心配だったポイントは次の3つである。

  1. 源泉掛け流しの良質なお湯がカルキ臭や循環式で損なわれるのではないか
  2. 料金が高くなるのではないか
  3. 露天風呂を全面に押し出すということ冬場は厳しくなるのではないか

月曜日でもランチは盛況

ランチバイキングに合わせて午前11時前にホテルに到着する。

ランチバイキングは以前の価格とほぼ変わらない1620円(税込)。

チケット購入窓口は正面玄関を入ったホテルのフロントである。

この日は月曜日だったが、雨のせいか思いのほか混雑していた。

先にお風呂に入ろうとするとランチも入浴も11時30分からとのこと。

以前なら朝7時から入浴できたのだが、日帰り温泉の時間自体が11時30分からとなったようだ。

しかたがないのでロビーで時間をつぶす。

平成感覚で生まれ変わった露天風呂

ランチ会場は行列ができていた。

混雑を避けて、先に日本最大級の露天風呂で話題の「翠明の湯」へ向かう。

長い廊下を歩くと、窓越しにリニューアルした露天風呂が俯瞰できた。

思った以上に川岸いっぱいまで浴場がせり出している。

温泉のロビーや受付、脱衣室はリニューアル前のまま活用されていた。

よく見た光景で新鮮味はなかったが、やはり大事なのは「温泉」。

淡々と浴場へ入って行った。

開放感ある露天風呂のメリット・デメリット

脱衣室からドアを開けると長い階段を降りていく。

この階段もだが、露天風呂内の通路もすべてベージュの木目調の板張りとなっている。

段差の分かれ目がわかりづらくちょっと危なく感じた。

慎重に降りていったものの、最後の段の高さが低くなっていたので足を滑らせそうになる。

階段の縁に色をつけるなどしてほしいところだ。

広さとしては以前のジャングル風呂とほぼ同じ。

ただ、枯山水のような中庭が半分ぐらい占めているため、浴槽の数のわりにそれほど広さは感じられない。

洗い場のみ半透明のガラスで囲われていてドアもついていた。

それ以外は開放感のある杉の垣根となっていて、冬場は吹き込む寒風にさらされそう。

そのため、初夏から秋にかけては湯上がりの火照りを冷ますのにちょうどよさそうだ。

おすすめは完全露店風呂の「若湯」

一番素晴らしいと感じた浴槽は「若湯」である。

敷地の一番川岸にあって、すぐ下が川、目の前は森が迫っている。

杉の垣根のにおいとともに森林の香りも漂っていてリラックスできるだろう。

大きな鯉も泳いでいる川面を見つめていると、時間を忘れてしまいそうだ。

若湯の湯温はぬるめに設定されていた。

ただ、ここのみ屋根のない完全な露天風呂である。

ちょうど雨が降り出したのだが、他の客は皆そそくさと上がっていった。

やはり奥道後の湯質は素晴らしい

肝心の泉質は、以前の奥道後温泉と変わらない素晴らしいものだった。

きついカルキ臭もなく硫黄のにおいにぬめりのある肌ざわり。

まさしく美人の湯である。

ただ、居合わせた入浴客と話していて不評だったのは、水風呂がなくなってしまっていたことだ。

小さなサウナの前に手桶で水を掛けられるようになっているものの、汗をたっぷりかいた体を冷ませたい男性からすると残念であろう。

宿泊施設としての大浴場に特化か?

浴場にも脱衣室にも寝そべることのできるベッドは見当たらない。

したがって、風呂から上がるとそのまますぐに帰らなければならないようになっている。

あくまで宿泊客や観光客を呼びこむこと、ランチバイキングを入浴と合わせる方針が強まった印象だ。

ちなみに、入浴後に利用したバイキングはこれまでと同じメニューや味でした。

日帰り温泉でのコストパフォーマンスは微妙

気になる料金だが、日帰り温泉は入浴のみで1080円(税込・タオル付き)。

入浴後の休憩ができないことを考えると、高めの料金設定をしている松山近郊のそらともりや利楽のほうが定期的に通うならコストパフォーマンスは良いかもしれない。

日帰り温泉というより、温泉ホテルの大浴場という位置づけがさらに強まった感じだった。

しかし、存続が危ぶまれていた奥道後温泉そのものがこれからも続くきっかけとしては評価できる。

あの素晴らしい泉質がそのまま守られたことを考えると、ひとまず安心した。

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