「ロマン・ポランスキー 初めての告白」で思い出す、映画が与えるもの

映画「ロマン・ポランスキー 初めての告白」を観てきました。

数奇な人生を歩む映画監督の貴重なインタビュー

ロマン・ポランスキー
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映画「ロマン・ポランスキー 初めての告白」オフィシャルサイト

ジョニー・デップ主演「ナインスゲート」で初めて知ったポランスキー監督。

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振り返ると「戦場のピアニスト」「オリバー・ツイスト」ぐらいしか観ていないのですが、なぜか気になる映画監督でした。

実は、今回の映画を観に行ったのは、監督の映画人生や芸術観などが聞けるかなという、軽い気持ちからでした。

ゲットー生活から戦後の悲惨な事件まで

前半の生い立ちから成長まではナチス支配下のポーランドでのゲットー生活が語られていて、かなりヘビーな内容となっています。

初めてできた親友がある日突然ドイツ軍に連行されたこと。

姉の代わりに母が連行されてそのままガス室に送られたこと。

目の前で女性が打たれて背中から血の噴水を見たこと。

戦後もアンジェイ・ワンダ監督と出会い映画俳優のキャリアを積んでいたものの、共産主義下のポーランドで思うような俳優生活ができず苦しんだ思い出が語られています。

映画監督として成功後も妊娠中のシャロン・テイト夫人の殺害事件や未成年の淫行事件など、マスコミに絶えることなく追いかけ回された苦悩を淡々と話していました。

映画館であぶり出される彼岸の世界

10月に開催された愛媛ヌーヴェルバーグ。

そのイベントのおかげでシネマルナティックが気持ち的に近くなりました。

そんな振替休日に気軽に映画館へ出かけたというわけです。

私を含め4人の観客だったのが寂しかったものの、ミニシアター系のものを映画館で観ると、普段の生活で四方八方へと広がりがちな自分の本来の軸を引き戻してくれるように思います。

最近はずっと神社巡りやお寺巡りなどが続いていましたし、それも大事な軸で共通していることに変わりはありますせん。

それでも、やっぱりもともとのベースは文学だったり芸術だったり、その底に見え隠れする生と死、性、狂気だったりと、そういったことを蓋をしてしまっている生きづらさをときどきは表に出してやらないといけないなと痛感しました。

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2013/11 執筆